【マイルCS】阪神芝1600mで行われる初めての古馬GI

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マイルチャンピオンシップは例年京都で行われてきた芝1600mのGIです。春の安田記念と並んで「マイル王決定戦」と称されており、昨年はインディチャンプが勝利しました。

京都競馬場が改修工事に入ったことに伴い、今年は阪神競馬場で行われます。阪神芝1600mは外回りを使用。GIは、2歳牝馬の阪神JF、2歳牡馬牝馬の朝日杯FS、3歳牝馬の桜花賞が行われますが、古馬GIが行われるのはこれが初めてです。

コース紹介

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阪神 芝1600m

広くてコーナーもゆったりしたレイアウト。トリッキーな京都と違い、紛れが少なく各馬のいわゆる”地力”が試される舞台と言えるでしょう。

直線は473.6m。ポイントはゴール前の高低差約2mの登り坂です。スピードに加え、パワーも求められる。つまり、総合的な能力が求められるコースだと言えます。

主な出走馬紹介

アウィルアウェイ
アドマイヤマーズ
インディチャンプ
カツジ
グランアレグリア
ケイアイノーテック
サウンドキアラ
サリオス
スカーレットカラー
タイセイビジョン
ブラックムーン
ベステンダンク
ペルシアンナイト
メイケイダイハード
ラウダシオン
レシステンシア
ヴァンドギャルド

1週前登録では、GI馬8頭を含めて17頭の登録があります。

グランアレグリア

安田記念とスプリンターズSをいずれも完勝。3歳時の桜花賞を含めてGIを3勝しており、勢いや実績は上位の存在です。前走のスプリンターズS勝利は、ディープインパクト産駒として初の快挙でした。

気性面に難しさがあるのか、3歳までは大事に使われてきていて、キャリアはまだ9戦です。阪神実績もありますし、死角という死角はないように思えます。

気になる点を挙げるとすれば、間隔でしょう。今回は約1か月半の間隔での出走ですが、これまで前走から2か月以内の間隔で出走したレースは、

朝日杯FS・3着

NHKマイルC・5着(降着)

といずれも敗れています。今回も一番人気に推されそうですが果たして。

サリオス

無敗の三冠馬コントレイルにしか先着を許していない3歳馬です。世代2位の実力馬と言えます。古馬との初対決となった前走の毎日王冠も完勝しましたね。

56kgの斤量で出走できるのはアドバンテージでしょう。しかし、この時期中距離だと2kgの恩恵を受けることができるのに対し、マイルだと1kgなんですよね。

過去10年で、3歳馬は[2-0-2-32]で複勝率11.1%です。

また、過去10年に行われた古馬混合の阪神芝マイルのオープン戦で、ハーツクライ産駒は[1-0-2-13]で複勝率18.8%。ちなみにディープインパクト産駒は[10-11-10-48]で複勝率39.2%です。これと比べると、あまりいい数字とは言えませんよね。

もちろん、サリオスは昨年の朝日杯FSを勝っていますし、阪神マイルには対応可能でしょう。古馬の一線級とぶつかるここが試金石と言えます。

インディチャンプ

昨年、安田記念とマイルチャンピオンシップを勝ち、春秋マイルGI制覇を果たしました。今年の安田記念でも3着と、マイル路線で一線級の活躍を続けています。

今回この馬のネックとなるのは、「休み明け」と「阪神」でしょう。

休み明けは走らないというタイプではないのですが、昨年のGI・2勝はいずれも前哨戦を使っての上積みを感じさせる走りでの勝利でした。今年も、中山記念を叩きとして始動して目標の安田記念まで進みました。しかし、今秋はぶっつけ本番です。これがどう出るかは未知数です。

そして、阪神コース。阪神でも結果は残していますし、”ダメ”というわけではないと思います。しかし、昨年非常に強い勝ち方をした京都コースの方が合っているように思います。過去に阪神の重賞では、毎日杯・3着、アーリントンC・4着といずれも勝ち切れていません。

レシステンシア

昨年阪神JFを逃げ切って5馬身差で圧勝しました。その後勝ち星はあげられていませんが、重馬場だった桜花賞でデアリングタクトにに食い下がって2着、NHKマイルCでも2着と世代上位の活躍をしてきました。

阪神芝1600mは直線の長い外回りコースですから、「差しが決まる」というイメージをお持ちかもしれませんね。しかし、データは逃げ・先行有利を出しています。

過去10年の古馬混合オープンの阪神芝1600mの戦績を4コーナー位置取り別で見てみると、4コーナー1番手だったという馬は[10-5-1-34]で複勝率32.0%。対して、4コーナー10番手以下は[5-12-11-210]で複勝率11.8%です。

もちろん、後者は地力の足りない馬や、レースに参加できなかった馬も含まれますから、鵜呑みに出来る数字ではありませんが、「直線が長いからと言って差し有利とは限らない」ということを認識しておくことは大切です。

ぶっつけ本番となるのが未知数ではありますが、先行力が武器の当馬にとっては戦いやすい舞台だと言えます。

アドマイヤマーズ

これまで、朝日杯FS、NHKマイルC、そして香港マイルと3つのマイルGIを制しています。

昨年の香港マイルは、C.スミヨン騎手を背に、約1か月前に亡くなった近藤利一オーナーに向ける最後のGI勝利でした。感動しました…

今年は安田記念で6着、そして秋の始動戦・スワンSで3着と勝利こそできていませんが、叩き2走目で巻き返しを狙います。叩き2走目ではきっちり結果を出してきた馬です。得意のマイルに距離延長するのも好感ですし、上記実績馬とも格は見劣りしません。

豪華メンバーの競演!秋のマイル王に輝くのは

今年は初めての阪神開催ということもあって、予想も難しいですよね。上記で取り上げた馬以外にも、今年のヴィクトリアマイルで2着のサウンドキアラ、今年のNHKマイルCを制したラウダシオンなど好メンバーが集結しました。

ここ10年で1度も1番人気が勝っていないGIです。

「グランアレグリアは超強いけど、2戦目がどうなの?」、「サリオスと古馬一線級との力関係は?」などなど、週末まで色々考えていきたいですね。

発走は11月22日の日曜日。15時40分です。

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