過去10年のフェブラリーS~馬券購入前に読みたい傾向と対策~

 フェブラリーSは、年明け初のJRAのGI競走です。近年、中距離路線の一線級はドバイやサウジアラビアといった海外に行くことが多く、メンバーが依然と比べれば手薄になっている(ように思える)一戦です。
その分波乱の要素もあり、馬券的には面白いと思います。

過去10年のデータを中心に見ながら、今年の展望をしていきましょう。

過去10年の結果データ

まずは勝ち馬から見ていきます。


過去10年、4角2番手以内の馬が4勝、4角8番手以下の馬も4勝しています。
明確に「前有利」「差し有利」ということではなく、その年の展開によって好走するタイプが変わっているレースです。

2着馬まで広げてみてみます。


連対20頭中、7頭は最速の上がりを使っています。直線の長い東京ですからね。行った行ったで粘り込むには相当な地力と展開の助けが必要です。
あと、気になる点としてはリピーターが多いことでしょうか。コパノリッキー、ゴールドドリーム、ノンコノユメと3頭が複数年連対を果たしています。
東京ダート1600mは距離が特殊(JRAでは東京だけ)ですし、芝スタートでもあります。特殊なコースなのでスペシャリストが生まれやすいのかもしれません。

連対馬の前走を見てみましょう。


ご覧の通り「距離短縮組vs根岸S好走組」という様相です。

過去10年の配当

 平均単勝配当  3349.0円 (10件)
 平均複勝配当  425.3円 (30件)
 平均枠連配当  2491.0円 (20件)
 平均馬連配当  14784.0円 (20件)
 平均馬単配当  35927.0円 (20件)
 平均3複配当  20342.0円 (30件)
 平均3単配当  176512.0円 (30件)

14年にコパノリッキーが単勝272.1倍の16番人気で勝っているので、平均の単勝配当がものすごく高いです。とはいえ、10年で単勝10倍以下の馬が7勝していますから、基本的にアタマに来る馬は下馬評3番手評価くらいの馬が多いです。

ダートのレースって芝以上に展開次第でコロッと着順が変わったりする(ような気がする)んで、人気妙味も注意して見た方が良いかもしれませんね。
今年は「どう考えてもこれ!」っていう本命馬がいないですし、揉まれ弱い馬も結構いるので、中波乱くらいはあるかもしれません。

過去10年の好走馬の血統

過去10年で3着以内に入った延べ30頭の血統を見ていきましょう。

特注のゴールドアリュール産駒をのぞけば、父サンデーサイレンス系が好走したのは13年1着のグレープブランデーと昨年2着のケイティブレイブだけです。
まあ、父サンデー系は出走馬が少ないというのもあると思いますが、ダートの一線級が反るここでは存在感が薄いです。
今年の人気馬だと、アルクトスが父サンデー系ですね。

主な出走予定馬

カフェファラオ

昨年同条件のヒヤシンスSとユニコーンで規格外の強さを見せました。その後、GI/JpnIでは2戦2敗。底力がないという見方もできると思いますが、ジャパンダートダービーは地方の深い砂で躓くシーンがありましたし、前走のチャンピオンズCはGI/JpnI勝ちのある実績馬が多数参戦していました。2番人気は見込まれ過ぎだと思いましたが、正直6着は上々の走りだったと思います。

今回は条件が得意の東京ダート1600mに変わりますし、相手関係も前走よりは楽。あとは揉まれなければと言ったところではないでしょうか?まあ、豪快な競馬をする米国産馬なので、気性面でも難しさがあるのかもしれません。

レッドルゼル

これまでダートでは14戦12勝。抜群の安定感を誇ります。前走の根岸Sは勝負強さを見せて重賞初制覇。内容も上々でしたし、マイルも守備範囲でしょう。
しかし、GIで初のマイルに対応できるのかは未知数です。いやー、初めての条件、初のGIで勝利するなんで簡単じゃないですよね?それがどうかです。

ただ、マイルは持つと思います。

アルクトス

昨年のマイルCS南部杯を日本レコードで制しました。超高速馬場でしたからレコードが出るのは驚きではないのですが、素晴らしい内容だったことには違いありません。
東京ダート1600mにも実績があります。が、昨年の本レースは9着に敗れています。中央で勝った19年のプロキオンSも高速馬場でした。勝ち切るには馬場のアシストも必要な気がしています。

ローテーションも、距離延長組は前走3着以内しか結果を出していませんし、父サンデー系。データには合っていません。

サンライズノヴァ

4年連続の参戦になります。過去3年は4・7・3着。基本的に後方から末脚を活かすタイプなので展開頼みになります。
18年にノンコノユメが勝った年のように、ハイペースから4角で馬群が凝縮する展開になればチャンスはあると思います。

オーヴェルニュ

現在3連勝中。ものすごい成長力ですよね。
この馬とは因縁があります。18年11月18日の未勝利で、芝→ダート替わり&距離短縮という絶好の条件になり、しかも鞍上はC.デムーロ。単勝が6倍もついていたので結構な額を勝っていたら何故か前をとらえきれずに2着・・・スタートで若干後手を踏んだのが痛かったんでしょうか・・・
しかし、こんな昔話はどうでもいいですね。

キャリアを重ねて距離延長にも対応してきました。そして前走は東海Sを完勝。馬場の恩恵や川田騎手の好騎乗はあったとは言え、素晴らしい成長力だと思います。

マートファルコン産駒(その父ゴールドアリュール)ですし、今回の条件替わりはこなせるはずです。あとは、鞍上がどうなるか・・・

インティ

一昨年の覇者です。昨年は2番人気で14着に敗れました。
前走の東海Sは見どころなく12着。力はあるのですが、ムラもあります。今年は大井のワークアンドラブが主張してくる可能性もあり、展開面がカギになるでしょう。

ワンダーリーデル

19年の武蔵野Sの覇者です。あのレースはハイペースで馬群が2つになって差してきやすかったレースなのですよね。展開がはまってGIII勝利ですから、GIではワンパンチ足りない印象です。
前走激走した分穴人気しそうですが、前走より人気してまで狙えるかと言われれば・・・

<注目穴馬>

上で挙げた以外に気になる馬を紹介しておきます。

デュードヴァン

除外対象なんですが、出てくれば面白い存在だと思います。武蔵野Sで負け過ぎていますし、カフェファラオの陰に隠れてますが、この馬も相当東京ダート1600mの適性は高いです。

エアスピネル

芝の実績馬ですが、初ダートのプロキオンSで2着、武蔵野Sで3着とダートでも好走しています。半周替わりはプラスだと思います。

10番人気くらいなんですかね?8歳とはいえまだ23戦しかしていませんし、芝とは言えGI実績も豊富です。チャンスがあっていいと思います。

以上です。また来週よろしくお願いします。

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